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会社の信用力と会社の持ち物を完全に切り離す手法として、ABSが登場した。 業績が振るわず、信用力が低い企業であっても、持ち物から生み出されるキャッシュフローや資産そのものの価値をもとに返済を約束する債券を発行し、投資家を募りやすくする。
これにより、企業は資金調達コストを低く抑えることができる。 たとえて言うならば、以下のようなことである。
「あなたは信用できないからあなたには金は貸せない。 あなたの持っている賃貸住宅は立地も良いし、継続的な家賃収入が見込まれる。
それなら、その賃貸住宅を信用できる管財人に売却してあなたから離せば、家賃収入を見込んで管財人の発行する債券を買ってやろう」欧米では既に常識となっている手法であるが、日本では96年4月に改正特債法(特定債券等に係る事業の規則に関する法律)が施行され、制度的にはABSやアセットバックド.コマーシャルペーパー(ABCP)が発行できるようになった。 ただし、日本の金融機関でABSを効果的に使いこなすことのできる金融技術を持ったところがどれだけあるかというと、若干疑問が残るところである。
ここに業績の振るわないA社がある。 A社は生産設備への設備投資を行うべく、資金調達をしたいと考えている。
会社の業績が不振であるため、社債を発行しようとすると金利が高くなり、資金調達コストがかさんでしまう。 格付けがAaaの優良会社でないと、社債発行の金利が高くため、A社の資金調達手段としては都合が悪い。
そこで、IバンクB社は、A社の持つ不動産を証券化し、不動産から生み出されるキャッシュフローの確実性に裏付けられたABSの発行を提案する。 A社の合意が得られると、B社はSPC(特別目的会社)という証券化のための特別目的会社を設立する。

SPCには細かい法規定がある。 基本的にはA社が設立する会社ではあるが、仮にA社が倒産してもSPCはまったく無傷で残り、SPCが持つ資産は債権者に取り立ディーラーはない。
倒産隔離という。 倒産隔離の条件に当てはまるようにSPCを設立するのが、投資銀行部門の腕の見せ所だ。
日本の制度では、国内にSPCを作るには、会社法、税制面で不備が多く、現在、国会でSPC法の議論が進んでいる。 いったんSPCが設立されると、A社は自社の土地と建物をSPCに売却する。

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